11月21日 鬼ヶ城西周りと木本隧道
鬼ヶ城中ほどにある「水谷」、雨の翌日なので、水が多く流れています。
「鬼の見張り場」
名称:鬼ヶ城歩道トンネル(木本隧道)
所在地:三重県熊野市木本町~大泊町 竣工年:大正14年
木本隧道へは,JRの紀勢本線熊野市駅で下車し,熊野古道の松本峠方面を目指して徒歩15分ほどで到着する。現在,松本峠の下には海側から国道42号線の鬼ヶ城トンネル(延長570m,1964年開通),木本隧道,紀勢本線の木本トンネル(延長891m,1956年開通)の3本のトンネルが貫いており,木本隧道は「鬼ヶ城歩道トンネル」と改称されて乗用車,二輪車,人道の専用道に用いられている。昭和初期までの道路トンネルは,その長さや施工技術など,鉄道トンネルに比べて見るべきものはほとんどなかったが,延長500mを超える道路トンネルは,栗子トンネル(福島県/山形県)に次ぐもので,県の手がけるトンネル工事としては大がかりな事業であった。当時,南紀地方の鉄道は,全国的に見ても鉄道の建設が遅れた地域であったため,道路の整備が先行し,木本隧道をはじめとする一連の道路トンネル群が明治末から建設されたのである。
木本隧道の坑門のデザインは,両坑口とも壁柱と帯石,笠石,迫石,扁額を備える重厚なもので,基本的にはイギリス積み煉瓦で積まれているが,壁柱のみコンクリート構造で,独特の凹型模様がある。扁額には「木本隧道」と記されており,これは開通時の三重県知事・山岡国利の揮毫によるものである。坑門のデザインそのものは,明治期の煉瓦・石積みによる鉄道トンネルで多用された古典的意匠である。内部は,1972(昭和47)年に内巻補強をしたため原形ではなく,覆工区間はコンクリート,無巻区間は吹付けモルタルで覆われている。(引用)